2020年12月、ドコモ「ハーティ割引」がもっと優しくなった!

障害者手帳を持っている方に対する割引である、NTTドコモの「ハーティ割引」が、2020年12月、秘かに改定されていました。

このご時世ですから割引の縮小かと思ったのですが、実際には逆でした!

基本料金の割引が拡充する一方、通話無料オプションの割引も新たに始まり、5分通話無料オプションならば実質無料で加入できることになりました

ただし、上記割引の適用対象は「2019年10月提供開始の料金プランに加入している方」に限られます
それ以前から加入している方は、最新のプランに変更する必要があります。

障害者手帳や難病の医療券で携帯電話料金も安くなる

障害者手帳を持つ経済的なメリットはいくつかありますが、その一つが携帯電話料金の割引です。

NTTドコモだと「ハーティ割引」、auだと「スマイルハート割引」、ソフトバンクだと「ハートフレンド割引」という名称で、割引内容はまちまちですが、ともかく一般の人よりは安く利用できます。

そして上記3社とも、障害者手帳のほか、特定疾患・難病に対する医療券でも割引を受けることができます。

ただ各社の説明を読む限り、自立支援医療の医療券は対象外のようです。

NTTドコモの割引が拡充されていた!

このうちNTTドコモの「ハーティ割引」について、2020年12月に割引の拡充が行われました。

拡充対象は2019年10月以降のプランのみ

まず最初に注意点ですが、以下で紹介する割引内容の拡充は、2019年10月以降に受付を開始した料金プランのみが対象です

2021年4月現在、NTTドコモの主力プランは「ギガホ」「ギガライト」「ケータイプラン」ですが、このプランに加入していても注意が必要です。

というのは、2019年10月に料金プランが刷新されたにもかかわらず、「ギガホ」「ギガライト」等のプラン名はその際に変更にならなかったからです。
つまり、単に「ギガホ」といっても、正確には「新しいギガホ」と「古いギガホ」があるわけです。

ドコモの内部では、2019年10月以降の料金プランを「ギガホ2」「ギガライト2」「ケータイプラン2」と呼び、それ以前の「2」がつかないプランと区別しています。
毎月の料金明細を見て、プラン名に「2」がついていれば「新しいプラン」、そうでない場合は「古いプラン」の可能性があります

以下は「新しいプラン」に限った話ですので、現状「古いプラン」の方は、まず「新しいプラン」に乗り換えるところから始まります。

拡充内容1:基本料金の割引額拡大

割引拡充の1点目は、基本料金の割引額の拡大です。

ケータイプランを除くプランの月額料金について、従来月370円(税抜)割引であったところ、一気に1370円(税抜)割引へ拡充されました

割引額が1000円アップとは、ものすごい大盤振る舞いです。

ドコモ3回線以上だと現状維持、その他の人には恩恵あり

一方で、「みんなドコモ割」「子育てサポート割引」「dカードお支払割」との重複適用はできなくなりました。

このうち影響が大きいのは「みんなドコモ割」との重複が不可になったという点です。
ただ、結論からいうと、今までより高くなるということはありません

「みんなドコモ割」は、要するに「家族全体で何人がドコモと契約していますか」ということによる割引です。
「ファミリー割引」の対象回線からキッズケータイなどの特殊な契約を除いて、2回線なら税抜500円、3回線以上なら税抜1000円が割り引かれます。

今回の割引拡充額が税抜1000円、みんなドコモ割の割引額が同じく税抜1000円ですので、これまでみんなドコモ割の割引が最大額だった人(3回線以上)にとっては、今回の割引拡充は効果なし(プラスマイナス0)となります。
それ以外の人にとっては、税抜500円ないし1000円の割引拡充となります。

なお「子育てサポート割引」は「児童扶養手当を受給されている、ひとり親世帯の方」が対象ですが、割引内容がハーティ割引と似ているため、重複適用ができないことは納得です。

また「dカードお支払割」は「定期契約しなくても、dカードで料金を支払っていれば定期契約ありと同じ割安な料金にします」というもので、元々ハーティ割引が「定期契約なし」をベースとした割引だったので、これもまた当然の制約です。

拡充内容2:通話無料オプション基本料金の割引額拡大

次に、ケータイプラン2を含む対象全プランに、通話無料オプションの月700円(税抜)割引が新設されました。

ドコモには、5分以内の通話が無料になる「5分通話無料オプション」と、全ての通話が無料になる「かけ放題オプション」の2種類の音声オプションがあります。

2020年12月から、ハーティ割引の加入者は、この2つのオプションがいずれも月700円(税抜)割引されることになりました。

5分通話無料オプションはもともと月額700円(税抜)なので、ハーティ割引の人は、何と実質タダで5分通話無料となるのです!

また、かけ放題オプションも、本来なら月額1700円(税抜)のところ1000円(税抜)で利用できるようになり、辛い症状を長電話で乗り切っているという方には福音です。

なお、「はじめてスマホプラン」はこの割引拡充の対象外です。
というのは、同プランはもともと「5分通話無料オプション」が無料でついているからです。
実質的には「割引の重複はできません」ということだと考えられます。

旧料金プランは対象外

冒頭に述べたとおり、今回の割引拡充は2019年10月以降開始の比較的新しい料金プランに加入している方だけが対象です。

「5分通話無料オプション」「かけ放題オプション」は2019年9月以前からあるのですが、基本契約が古いタイプだと今回の割引拡充の恩恵を受けられません!

我が家がまさにこの例でした。
「ギガライト2」ではない、古い方の「ギガライト」に「かけ放題オプション」をつけていたのですが、料金の明細を見てもかけ放題オプションの月額料金が税抜1700円のままで、あれっ?と思いました。

5分通話無料オプション、つけなきゃ大損!

以上を読むと分かると思いますが、現在すでに対象料金プランに加入している方、迷わず5分通話無料オプションをつけましょう

オプション代実質無料で、5分以内の通話料が何度でも無料になるのです!

オプションをつけていなければ毎回30秒20円(税抜)の通話料が発生するのですから、何も行動を起こさないのは大損です。

料金プランの見直しは少し慎重に

以上のように、比較的新しい料金プランに加入していれば、ハーティ割引の特典がかなり大きくなります。

ぜひ、最新の料金プランへの乗り換えをおすすめします。

と、書きたいところなのですが…

料金プランを最新のものに変更すると、変更前よりかえって高くつく可能性もあります
その点は慎重に検討することが必要です。

ガラケーで音声通話主体の人は、今のままがいいかも?

特に、かなり古い料金プランを長い間継続していて、データ通信をほとんど利用していない方の場合、最近のプランより有利という可能性もあります。

また、現状3Gの機種(いわゆるガラケーが多いと思います)を利用されている方は、そもそも最新の料金プランに乗り換えることが困難です。機種変更が実質必須となります。
3Gガラケーで4G向け料金プランに加入することも不可能ではありませんが、動作保証はなく、またiモードは利用できないので実質的に音声通話専用となります。

たとえば、FOMA全盛時代に主流だった「バリュープラン」のうち、比較的安価な「バリューSS」を利用されている方の場合を考えます。
まず、ハーティ割引適用後の基本料金が税抜744円と激安です。iモードはオプションで別料金ですが、ハーティ割引で6割引になるので税抜120円と格安。
さらに無料通信分が税抜1000円分ついているので、これを全部通話に使えば追加料金なしで25分話せますし、多少のメールならパケット代も無料通信分で収まると思います。

いくら最新プランのハーティ割引が有利といっても、通話のできるプランは基本料金だけで1000円を超えてしまいます。
現状、ガラケーを使っていてドコモの携帯料金が月1000円程度という方は、無理に最新機種に乗り換えてプランを最新にしても経済的メリットはなく、今のプランを大事に継続していくのがよいと思います。

まとめ:親切だが、それ、早く言ってよ~

以上、ハーティ割引の拡充についての記事でした。

携帯電話に限りませんが、障害者に対する割引は一見すると社会福祉のように見えて、実際には企業の純粋なサービス(持ち出し)で実現されていることが多いようです。

NTTドコモのハーティ割引がどうなのか、きちんと調べたわけではありませんが、少なくとも割引の原資が100%税金であるとは思えません。
今回の割引拡充には多少なりとも企業努力があったはずで、そこは素直に素晴らしいと思いますし、業界トップ企業らしい取り組みだと思います。

ただ、もう少しきちんと宣伝してくれてもよかったのにな、とは思います。

今回の割引拡充は自動的に適用されるので「改めてのお申込みは不要です」と、ニュースリリースには書いてあります。確かにそのとおりです。

しかし、拡充対象プランが限られているため、その対象から外れた人は、自ら能動的にプラン変更をしないと対象になりません

また拡充対象プランに加入している人であっても、「5分通話無料オプション」をつけていなかった人に対して、「2020年12月から自動的に5分通話無料オプションに加入」という措置はなかったものと思われます。
つまり、割引拡充に気付いていない人は、今日現在、実質無料の5分通話無料オプションをみすみす逃したままになっていると想像します(誤解でしたらすみません;ご指摘ください)。

これに限らず「知らないと損をする」というのは「障害者あるある」で、まさにそれが当サイトの開設理由でもあるのですが、何とかなりませんかね。

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