創刊にあたって――難病は不経済

あらためまして、難病患者とその家族の皆さま、お疲れさまです。――経済的にも。

難病はお金がかかります

我が家の場合、妻が難病患者(全身性エリテマトーデス+双極性障害)であり、夫が会社員として働くことで収入を得ています。
わりと頑張って稼いでいる方だと思いますが、経済的にはなかなか厳しいものがあります。

まず通院費がバカになりません。
毎月の治療費、薬代も確かに高いのですが、主治医が自宅から20km先の大学病院にいるため、往復の交通費がかさみます。
調子がよければ電車とバスで行けるのですが、この病気、そんなに甘くはありません。精神的不調がMAXの時期には、通院頻度が週1回、さらに毎回電車に乗れずタクシーで往復していました。

また、子供の養育費も余計にかかる場合があります。
我が家には息子がいますが、調子が悪ければ、妻が日がな一日面倒を見るというのは不可能。特に幼少のうちは「誰かに面倒を見てもらうこと」に対する出費がかさみました。
月7万超の無認可保育園からスタートし、何とか認可保育園に入っても2歳児までは月4万超。幼稚園に入るも、延長保育や幼稚園バスをあわせると月5万コースで、さらに長期休暇中は保育園の一時保育で1日6000円…等々。

その他、大きいのは入院費です。体調を崩してSLEで入院すれば、早くても2週間、長ければ2~3ヶ月かかります。もろもろの状況を考慮すると個室に入らざるを得ないことがほとんど。築30年クラスの貧相な個室に150万円(!)支払ったこともあります。

我が家で利用している4つの公的援助

こうした状況に対し、様々な公的援助の手が差し延べられています。十分とは言えませんが、ないよりは随分マシです。

しかし、特に病気になりたての方は、制度の詳細をご存じないのではないでしょうか。

当サイトをお読みの方々には、これらの手段をフル活用していただきたく、ここ数年で蓄積したノウハウをご紹介していきます。

以下、我が家で利用している4種類の公的援助です。

  • 精神障害者保健福祉手帳〈双極性障害〉
  • 障害基礎年金(あるいは障害厚生年金)〈双極性障害〉
  • 難病医療費等助成〈SLE〉・自立支援医療(双極性障害)
  • 心身障害者福祉手当〈SLE〉

最後の「心身障害者福祉手当」は、お住まいの区市町村により制度がバラバラで、そもそも制度がない自治体も多くあります。他3つは、診断名が「SLE」「双極性障害」という前提ならば基本的に全国共通です。

経済効果は年150万!?

これら4つの制度をフル活用することで、経済的にどの程度のプラスになるでしょうか?

これはお住まいの自治体や病状、家族構成などにもよりますが、我が家の場合には年間で約130万円ほどのプラスになっています

まず、障害者手帳を入手することによる所得税・住民税の減税額が年間8万円あります。

次に障害基礎年金ですが、息子が1人いるため「子の加算」があり、年間で約100万円となります。

難病医療費等助成については算定が難しいのですが、症状が落ち着いている時期の実績として、年間で4万円程度の節約かと思います(通常の3割負担との比較)。自立支援医療については利用していません(その理由は別記事に書く予定です)。

最後に心身障害者福祉手当ですが、私たちの住所地では年間10万円です。

これらを合計すると大体120万円となりますが、障害者手帳を持つことによる細々としたメリットを考え合わせると、実質的には年130万円ぐらいでしょうか。

扶養している方の所得の金額や障害年金の種類(等級の違い、障害基礎年金と障害厚生年金の違い)、お子さんの人数によってはさらに高額となり、年間150万円以上のプラスになる方もいらっしゃると思います。

当サイトの目標

当サイトの情報を参考に、利用できる制度は利用し尽くし、せめて経済的には楽をしていただきたい。それが当サイトの目指すところです。

タイトルにある「週刊」は単なる洒落で、実際には不定期な更新になると思いますが、ご愛読のほど、よろしくお願いいたします。

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