年末に障害者手帳が切れると税金激増!? 更新忘れでヒヤリとした話

精神障害者保健福祉手帳の更新、つい忘れませんか?

私たちは、初回の更新でいきなりやらかしました。

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にもかかわらず、去る2017年、さらに大幅に、やらかしてしまいました。

11月末が障害者手帳の期限だったのですが、それに気付いたのは11月に入ってから

結局、新しい手帳が届いたのは年が明けてからでした。

手帳のない状態で年を越してしまったので、所得税や住民税の障害者控除を受けられるか?と大いに心配しました。

結果的には、年末に手帳がなくても問題なく障害者控除を受けられたのですが、その過程でいろいろ調べたことや気付いたことがありましたので、ここでご紹介したいと思います。

またやっちゃった! 障害者手帳の更新忘れ

私たちは障害者手帳の更新を過去3回目やっているのですが、毎度、期限ギリギリに更新手続きをしてハラハラしている気がします。

以前の記事にも書いたのですが、ただでさえ精神を病んでいるのに、手帳の更新という雑事でさらに悩みが増えるというのは勘弁してほしいところです。

 

が、そんな思いもむなしく、またやらかしてしまいました。

年末調整で手帳のことを思い出す

2017年の11月初旬、夫が年末調整の書類を準備しているときに「あれっ」と気付きました

障害者控除を受けるために、年末調整の書類に障害者手帳の番号を記入するのですが、そういえば手帳の期限は11月末だったような…と思い出したのです。

期限が「来年の」11月であってほしい、という願いもむなしく、手帳を確認すると、期限は「今年の」11月30日。
あと1ヶ月を切っていました。

期限が1月とか2月なら、ちょうどいいタイミングだったんですけどね。
11月が期限というのは最悪です。

 

手帳の持ち主も、当然(?)そんなことはノーマークでした。

私たちの住所地では、特に更新のお知らせが届くわけではありません。

2年おきにやってくる障害者手帳の更新日なんて、覚えているわけがありません。
そんなところまで気が回るようなら障害者手帳なんて交付されません!

そして「手帳なし生活」へ

あわてて夫が市役所に行き、11月10日に更新手続きを行いました

受付自体はスムーズで、「1ヶ月半ぐらいで届きます」といった案内だったと思うのですが、そこからが実に長かったのです。

例年「新しい手帳が届きました」というお知らせはハガキで来るのですが、11月30日になってもハガキは来ません。

そして12月1日、有効な手帳が手元からなくなりました

1%の奇跡を信じていたのですが…

手帳が届くまで何ヶ月?

2013年、手帳の更新をギリギリで行った際には、11月30日が有効期限のところ、11月29日に「できました」というハガキが来ました。

これを見て、手帳が途切れることのないよう配慮はしてくれているのかなと感じました。

 

今回はさすがに途切れてしまったのですが、それでも12月末にはハガキが届くのではないかと思いました。
前回の失敗時にも、ハガキが届いたのが月末だったからです。

ところが、12月末になってもハガキは届かず、そのまま年を越してしまいました

後述しますが、これにより不安の種が一つ増えました。

 

結局、ハガキが届いたのは1月13日土曜日でした。
「1月15日以降にお受け取り下さい」とのことです。
申請から何と2ヶ月を超えました

 

なぜ、こんなに時間がかかったのでしょうか?

その大きな理由が「障害年金」である、ということが分かりました。
詳しくは後述します。

12月末に手帳がないと、何が困る?

1月17日に市役所へ行き、ようやく手帳を受け取りました。

まず注目したのは手帳の発行日ですが、「発行年月日 平成30年1月5日」という記載を見て、夫はしばし呆然。

障害者控除は大丈夫か?と…

 

手帳が手元にないために困ることはいくつかありますが、12月末に手帳がないというのは最悪なのです。

手帳が手元にないことのデメリットはいろいろあるが…

今回、有効な手帳が手元にないという状態は12月1日から約1ヶ月半にわたって継続しており、それなりに不便でした。

が、まだ我慢できる範囲内でした。

 

私たちの場合、主に障害者手帳を呈示する場面はバス、タクシーです。
東京都内の路線バスは東京都発行の障害者手帳で半額になりますし、タクシーも、少なくとも東京23区では1割引になります。

手帳が手元になければこれらの割引を利用できません

 

ほかにも、文化施設などで「障害者手帳があれば割引(あるいは無料)」といったところは多くあり、これも手帳がなければ損をします。

 

ただ、本当に精神的に不調であれば、そもそも外出をしません

私の場合、寒いということもあって12月はほとんど外出せず、実害はほぼゼロでした。

障害者控除、判定日は12月31日

一方、手帳の呈示は不要ながら、手帳の有無が経済的に大きな差を生む場面が、年に1回あります。

年末調整あるいは確定申告です。

 

障害者と、その障害者を扶養する人に対しては税金の優遇があります。
それが「障害者控除」で、所得税であれば27万円、住民税であれば26万円(自治体によって異なる可能性あり)が所得から控除されます。

税額控除ではなく所得控除なので、税金が27万円ないし26万円安くなるという意味ではありません。
「その分、収入が少なかったことにしてくれる」という意味です。

平均的なサラリーマンであれば、所得税は10%、住民税も10%ですから、所得税で27000円、住民税で26000円の節税効果があります

詳しくは以下の記事をご覧ください。

精神障害者保健福祉手帳を持つメリットは?デメリットはあるの?
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問題は「いつの時点で障害があれば、障害者控除が適用になるか」ということです。

ズバリ、障害者控除は、12月31日現在の状態で判断されます
つまり12月31日の時点で障害者手帳を交付されているかどうかが問題になります。

 

今回は手帳の更新が12月中に終わりませんでした
これは怪しい。

手帳の更新を忘れたばっかりに、数万円の「特典」がなくなってしまうのは堪りません。
夫が愕然としたのはこのためです。

カギは「継続性」! ギリギリセーフでした

手帳の発行年月日に注目

ただ、諦めきれずに数分間手帳を眺めていた夫は、あることに気付きました。

発行年月日 平成30年1月5日」という記載とは別に、「交付年月日 平成23年11月11日」という記載があるのです。

平成23年11月11日というのは、初めて障害者手帳が発行された日です。

更新後の手帳にもこの日付が記載されているということは、「この精神障害は平成23年11月11日から継続している」ということを示している――そういえるのではないでしょうか?

 

確かに、昨年の12月は手帳が手元にありませんでした。
ただ、障害者控除に必要なのは「手帳そのもの」ではなく「手帳を交付されるだけの障害状態にある」という事実であろうと思います。

今回の更新手続きでは、平成23年から引き続いて障害状態であったということが認定されたといえます。

であれば、障害者控除を受けられるのではないか?

そんな希望が出てきました。

市役所、税務署の見解は?

結局、最後は徴税するお役所の見解がすべてなので、市役所と税務署にそれぞれ電話してみました。

 

まずは市役所の福祉担当へ。

事情を話したところ、「継続という扱いになりますので、多分大丈夫だと思いますが、税務署に確認してください」との返答。

所得税はともかく、住民税の徴収を行うのは税務署ではなく市役所ではないのかと思いますが、所得税に障害者控除が適用されていれば、市役所では何も考えずに障害者控除を適用するということでしょうかね。

 

そこで早速、税務署にも電話してみました。

手帳の交付日が平成23年であるということを告げると「大丈夫です」と即答
やはり、手帳の継続性がカギになっていました

 

結論として、更新後の手帳の交付日が2017年12月31日以前であれば、2017年分の障害者控除を受けられるということのようです。

いやーよかった!

参考:身体障害者には特例がある

この問題について調べていて発見したことがあります。

精神障害者でなく身体障害者の場合には、12月31日時点でまだ手帳が交付されていなくても、手帳を申請するに足りる障害があれば障害者控除を受けられるという特例があるのです。

No.1186 身体障害者手帳等の交付を申請中である場合の障害者控除の適用について(国税庁 タックスアンサー)
https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1186.htm

これによると、身体障害者手帳または戦傷病者手帳の交付を受けていなくても、12月31日時点で手帳を交付されるに足りる障害があり、かつ申告書提出時点で手帳を申請中あるいはそのための診断書を持っている場合には、障害者控除を受けることができるとのことです。

 

当初、精神障害者保健福祉手帳についてもこの記述が準用されるだろうと思っていたのですが、いくつかの情報源を総合すると、精神障害者保健福祉手帳は対象外のようです。

身体的な障害には事故などの明確な原因があることが多く、かつ劇的によくなるということは少ないと思います。

一方、精神障害の場合「いつから調子が悪いか」というのを厳密に知ることは困難です。
症状や具合の悪さ度合いが頻繁に変化することも珍しくありません。

こうした障害の特性をふまえ、身体障害者手帳に限って例外が設けられているのかなと想像しますが、精神障害者には優しくない制度ですね。

まとめ

以上、精神障害者保健福祉手帳の更新が遅れ、一時的に有効な手帳が手元からなくなってしまった際の顛末をご紹介しました。

12月31日の時点で(更新のため)一時的に手帳が手元になくても、更新後の手帳が「以前からの継続」であれば、12月31日時点でも障害者であったと認定してもらえるようです。

 

ただ、こんなことで冷や冷やしたくはありませんよね。

障害者とその家族の皆さん、障害者手帳の更新忘れにはくれぐれもご注意を!

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